くまさんタンピングってなんだろう?
家で「カフェのようなエスプレッソ」を目指すとき、意外と見落とされがちな工程がタンピングです。タンピングはポルタフィルター内の粉を押さえて、湯が通る道(=粉層)の密度を均一にする作業。これが上手くいくかどうかで、味の安定性が大きく変わります。
この記事では「難しそう」と感じるタンピングを、初心者でも取り組みやすく分解して解説します。読み終わる頃には、毎回のショットがぐっと安定するはずです。
目次
タンピングとは?まずは“なぜ重要か”を理解しよう
タンピングの役割
- コーヒー粉を平らにし、粉層の密度(抵抗)を均一にする。
- 抵抗が均一だと湯が全体に均等に通り、チャネリング(湯が一部だけ早く通る現象)が起きにくくなる。
- 結果として「味のばらつき(薄い・苦い・酸っぱい)」が減る。
タンピングの失敗例
- タンピングが弱い → 抵抗が低く、湯が早く抜けやすい(薄い味・未抽出感)。
- タンピングが強すぎる → 抵抗が高くなりすぎ、過抽出や苦味に寄りやすい。
- 傾いた押し方 → 粉が片寄り、片側だけ湯が通る(チャネリング)。
正しいタンピングの手順
事前チェック(抽出前に揃えるもの)
- 分量(ドーズ):機種やレシピに合わせた粉量をはかる(例:16~18g)。
- 挽き目:エスプレッソ用に細挽き。粒度のばらつきが少ないミルを使用する。
- ポルタフィルターの清掃:余分な粉や油分を拭いておく。
具体的なステップ
- 配粉(ドージング):計量した粉をポルタフィルターに入れる。
- レベリング(平らにする):軽く手の平で粉をならすか、レベラーを使って均す。
- タップ(トントン):ポルタフィルターの外側を軽く叩いて粉を落ち着かせる(大きな空気ポケットを減らす目的)。
- タンピング:タンパーを垂直に当て、安定した力で押し込む。
- 仕上げ(余粉処理):粉を均すためにポルタフィルターの縁についた余分を落とす。
タンピング時の姿勢&持ち方(ポイント)
- 肘を体の近くに固定して、上腕で垂直に押すイメージ。手首のブレが少ない方が安定する。
- タンパーに対して垂直に押すことを最優先に。
力加減の目安と測り方(感覚でつかむ方法)
「何kgで押すべき?」という質問は頻出ですが、家庭レベルでは数値に頼らず感覚で一定にする方法が実用的です。
感覚の目安
- まずは「しっかりとした手応え」を目安に押す(指1本分くらい沈む強さでは弱い)。
- 多くのバリスタが目安として使うのは「しっかり押して、タンパーが粉面に触れた後さらに少し力をかける」程度。
一貫性を出す方法
- 毎回同じ姿勢・同じ握り方で押す。肘の角度や足の位置まで揃えると安定する。
- 定圧タンパーを導入すると、毎回ほぼ同じ圧力で押せるので再現性が大幅に上がる。
定圧タンパー(スタンプ式・スプリング式)とは?
定圧タンパー
- 定圧タンパーは、内部にスプリングや機構が入っており、一定の圧力・深さでタンピングできる工具です。一般に”一定の力で止まる”か、”一定の深さで止まる”タイプがあります。
主なメリット
- 再現性が高い:人の力のばらつきを補正できる。初心者が短期間で安定したショットを作るのに最適。
- フォームの矯正にも有効:力の入れすぎや斜め押しを防ぐ設計のものが多い。
デメリット/注意点
- 本質は”補助”なので、レベリングや配粉の精度が悪いと効果は薄い。
- 定圧に頼りすぎると、将来的に手動での感覚が身に付きにくい場合がある。
- 機種によってポルタフィルター径との相性があるため、購入前に必ず径(mm)を確認。
タンパー・配粉ツールの選び方
タンパーを選ぶ時のチェックポイント
- 径(mm):ポルタフィルターの内径に合うこと(例:58mmか54mmなど)。
- 形状:平底(フラット)か丸底(ラウンド)か。平底は均一圧が得やすく、丸底は粉の馴染みが良い。
- 素材と重さ:重い金属(ステンレス・アルミ)は慣性で押しやすく安定する。木製は見た目が良いが慣性が低い。
- ハンドル形状:手に馴染むか。肘を固定したときに握りやすいか。
- 定圧機能の有無:初心者には定圧タンパーがおすすめ。
抽出トラブル別の対処法
チャネリング(部分的に早く流れる現象)
- 兆候:抽出が早く、味が薄い・酸が強く出る。抽出後の粉床に穴や偏りが見える。
- 対処:配粉のやり直し→レベラー使用→垂直にタンピング→必要なら挽き目を微調整。
味が薄い/未抽出感
- 兆候:味が薄く、酸味が残る。
- チェック:ドーズ量・挽き目・タンピングの強さ。まずは挽き目を少し細かくしてみる。
味が濃すぎ/苦い(過抽出)
- 兆候:苦味や渋みが強い。
- チェック:挽き目が細かすぎないか、タンピングが強すぎないか(ただし強さだけで過抽出になることは少ない)。
まとめ
家で安定したエスプレッソを淹れるために最も大切なのは、小さな工程を確実に正確に行うことです。タンピングはその中でも味の再現性に直結する“一手間”で、配粉(量・粒度)→レベリング→垂直なタンピングという一連の流れを丁寧に実行するだけで、チャネリングや味のばらつきが大きく減ります。
この記事で押さえておきたい内容は次の3点です。
- タンピングの目的を理解すること:粉層の密度を均一にし、湯の流れを整える。
- 再現性を高めること:姿勢を固定し、同じ手順・同じ道具で繰り返す。定圧タンパーは初心者が短時間で安定性を得るための強力な助けになります。
- 道具と水も味を左右すること:タンパーだけでなく、粒度が安定するミルと水質管理(硬度調整)が揃うと、味の改善スピードは格段に上がります。
これで家での一杯がぐっと良くなります 。エスプレッソを楽しみましょう。




コメント