くまさん手動のエスプレッソマシンって、電気のと何が違うの?
自分で圧力をかけるって本当?
レバーを下げて自分で圧力をかける「手動式」のエスプレッソマシンに興味はあるけれど、仕組みや向き不向きがよく分からない——そんな声をよく聞きます。実は手動マシンは、圧力プロファイルを自分でコントロールできるため、こだわり派や「一杯に集中したい」人に人気です。一方で、力加減や手順に慣れが必要という面もあります。
この記事では、手動(レバー式)エスプレッソマシンの仕組み、電気式との違い、選び方・使い方のコツ、そしてどんな人に向いているかを、バリスタ視点で解説します。読み終えれば、手動マシンを検討するかどうか判断できるようになります。
手動エスプレッソマシンとは?なぜ「手動」なのか
手動と電気式の根本的な違い
手動エスプレッソマシン(レバー式/マニュアル式)では、レバーを下げる力でポンプの代わりになり、お湯を粉層に押し出す仕組みです。電気式はモーターでポンプが回り、一定の圧力(多くは9気圧前後)が自動でかかりますが、手動ではレバーの動かし方=圧力の掛け方を自分で決められます。
- 電気式 … スイッチを入れると、マシンが決まった圧力・時間で抽出する。
- 手動式 … レバーを下げる速さや止めるタイミングで、圧力の上がり方・持続・下がり方を変えられる。
この「圧力の変化を自分で描ける」ことが、手動マシンの最大の特徴です。バリスタはプレッシャープロファイルと呼び、浅煎り豆で酸味を引き出したいときなど、狙いによって変えています。
初心者が陥りやすいミス
- いきなり力いっぱいレバーを下げる
圧力が一気に高くなり、苦味や渋みが出やすく、チャネリング(偏った抽出)の原因にもなります。最初はゆっくり・均一に下げることを意識しましょう。 - 「手動=安い」と思い込む
手動でも、構造や素材の質で価格帯は幅広く、高級レバー式マシンは数十万円することもあります。予算と「何をコントロールしたいか」で選ぶのが大切です。
手動マシンの種類と仕組み(スプリング式・ダイレクト式)
主な2タイプ
| タイプ | 仕組み | 特徴 |
|---|---|---|
| スプリング式(スプリングレバー) | レバーを下げるとスプリングが縮み、その反発力で圧力がかかる | 力加減がスプリングに任せられる。再現性が取りやすい。 |
| ダイレクト(直圧)式 | レバーに直接力を加えてピストンを動かす | 圧力の上げ下げを完全に手でコントロール。上級者向け。 |
多くの家庭向け手動マシンはスプリング式です。「レバーを下げる→スプリングが圧力をかける→自分はタイミングとレバーの位置だけ気にする」ため、初めて手動を使う人には扱いやすい傾向があります。
プロがこだわる抽出のポイント(圧力・温度・時間)
- 圧力
一般的な目安は8〜9 bar(バール)。スプリング式ならスプリングの規格でだいたい決まります。ダイレクト式では、レバーをどのくらいの力で・どの速さで下げるかで変わります。 - 時間
ダブルショットで25〜35秒がひとつの目安。手動では「レバーを下げ始めてから、希望の液量が出るまでの時間」を意識します。 - 温度
手動マシンでも、ボイラーでお湯を沸かすため90〜96℃付近が目安。機種によっては予熱やフラッシュの手順が味に効くので、取説やレビューを確認するとよいです。
力加減を一定に保つと、挽き目・粉量が同じなら抽出時間と味の再現性が上がります。まずは「毎回同じリズムでレバーを下げる」ことから始めましょう。
必要な道具とその役割
- 良いグラインダー(極細挽き対応)
手動マシンは挽き目に敏感です。エスプレッソ用の極細挽きが安定してできるミルがあると、味のブレが減ります。


- スケール・タイマー
粉量(例:18g)と抽出液量・時間を記録すると、再現性と調整がしやすくなります。 - タンパー・WDT
粉を均一に固めることで、手動でもチャネリングを防ぎやすくなります。




手動マシンを選ぶときのポイント(価格・サイズ・熱源)
何を優先するかで選ぶ
- 予算
手動でも数万円〜数十万円まであります。エントリーならスプリング式のコンパクトな機種、こだわりなら熱安定性やビルド品質の高いレバー式を検討できます。 - 置き場所・熱源
直火式(ガスコンロで沸かす)のミニマルなレバー式もあれば、電気ボイラー内蔵でコンセントだけで使えるタイプもあります。キッチンのスペースとコンセントの有無で絞り込みましょう。 - 1杯にどれだけ時間をかけたいか
手動は「一杯ずつ丁寧に」が向いています。毎朝何杯も短時間で淹れたい場合は、電気式のポンプマシンの方が合うことが多いです。
バリスタ推奨のカスタマイズ
- 最初はスプリング式で、レバーの動きと圧力の感覚に慣れる。
- 粉量(例:18g)と挽き目を固定し、レバーを下げるタイミングと液量だけを変えて味の違いを比べてみる。
- 豆の焙煎(深煎り・浅煎り)に合わせて、挽き目と粉量を少しずつ調整する。


よくある質問(FAQ)
Q. 手動マシンは力が弱いと使えませんか?
スプリング式なら、レバーを下げてスプリングに任せるため、それほど握力は必要ありません。ダイレクト式は力加減がそのまま圧力になるため、ややコツがいりますが、練習で慣れます。
Q. 電気式より味が良くなりますか?
「手動の方が必ず美味しい」というわけではありません。手動は圧力の変化を自分で描けるため、うまく使えば浅煎りや特定の豆でメリットを出しやすい、という関係です。好みや目的に合わせて選ぶとよいです。
Q. 手動と電気、どちらを最初に買うべき?
「一杯に集中して、圧力の感覚を学びたい」なら手動も選択肢です。一方で「手軽に毎日同じ味で」を優先するなら、電気式のポンプマシンが無難です。


まとめ:手動エスプレッソマシンで最高の一杯を
- 手動(レバー式)エスプレッソマシンは、レバーで圧力をかける仕組み。スプリング式は再現性が取りやすく、ダイレクト式は圧力プロファイルを細かくコントロールできます。
- 電気式との違いは「圧力の掛け方・変化を自分で決められる」こと。挽き目・粉量・時間とあわせて、味の調整幅が広がります。
- 選ぶときは、予算・置き場所・熱源(直火 or 電気)・「毎日何杯淹れたいか」で絞り込み、まずはスプリング式から試すのがおすすめです。




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